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古アパートの立退きは耐震診断から-2

1.どんな場合に裁判に勝つのか

 ところで、借家人立退き明け渡しが可能か否か、訴訟の場で裁判官はどのように判断するものなのでしょうか。もちろんこうした問題は、個別的な事情が多くあり一概にこうであるとはいえませんが、それでもある程度の考え方はあります。      いずれに軍配を上げるかを判断する裁判官は、娘一人に婿候補者2人が居て、どちらに嫁がせるか迷う花嫁の父の心境でしょう。2人の性格、娘との相性、娘への思い等を比べてみるでしょう。相手の経済力も重要な判断基準となるでしょう。      この婿候補者2人の事情を比べることを、借家人立退き明け渡し事案に置き換えますと、裁判官は頭のなかで以下の様に考えます。      一軒の家あるいはアパートの一室を前提にして、家主には所有権があり、借家人には利用権がある訳ですが、この家主の所有権と借家人の利用権のいずれを優先させるべきかという判断になります。      その際、家主あるいは借家人にとって各々その家を必要とする事情が、「死活」問題なのか、「切実」なことなのか、「望ましい」程度のことなのか、あるいは単なる「わがまま」なのかというように考えてみるわけです。

2.「死活」「切実」「望ましい」「わがまま」が規準

 ある場合は、庭先に貸している一軒家が、そこに今度結婚する息子を住まわせるために必要だという家主にとって「望ましい」問題であっても、借家人にとっては、そこを立ち退かされるとすぐに行き先がある訳でなく、子供の学校・おばあちゃんの通院・奥様のパート先などの都合もあり、立退きは相当に「切実」な問題であれば、裁判では家主が負けるでしょう。つまり次頁の図の様に家主は天秤の二段、借家人は三段で比べられ、二段より三段が重く天秤は借家人の方へ傾く訳です。      しかしこうした場合でも、家主は不足しているあと二段分を立退料というお金を提供することによって、天秤を傾かせることができす。これを「金銭による補強事由」といい、家主が借家人を立退かせるに必要な正当事由を金銭によって補強する訳です。この二段分の立退料の金額が具体的にいくらかは、個別の事案によってさまざまですが、この考え方は裁判官の中にあるものなのです。      借家人立退き交渉の際のひとつ参考となさって下さい。

(コンテンツ提供元:ハートアセットコンサルタンツ様

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