地主にとっては良いことづくめのこの等価交換法ですが、肝心の借地人はどうでしょうか。たいていの場合、交換引分けの線上にまたがって借地人の建物がのっています。交換するにあたり、この建物を取り壊さなければなりません。ですから、この方法による場合、借地人が家を建て替えたい希望が生じたときに多く採用されます。 借地人としても他人から借りている土地に自宅を建てるよりも、その土地の広さ地形などの条件が上手く乗り越えられるなら、交換によって敷地が約半分になっても自分の土地にしてから家を建てたいものです。また底地を買うのと違い、資金が不要ですからその分を家の増築へまわせます。 この方法は、両者が自らのメリットを正しく理解するならば、そしてその土地の広さ地形などの条件がかなうならば、土地賃貸借関係を円満に解消するためには最も好ましいものの1つといえるでしょう。
上図をご覧下さい。地主は相続が発生してからでも遅くないこの対策は、物納を前提にして敷地引分けが出来ます。この場合、借地人が底地を物納される事を嫌い、この際是非所有権を得たい場合に有効です。借地人にとっては地主に底地を物納された場合、将来その底地を国から払い下げてもらうことはできますが、民間の地主との間で行うこの敷地引分け法は国との間では出来ないからです。 そこで地主は「どうせ物納」してしまうのですから、敷地の区割りも自分が物納上不利にならないのであれば借地人に有利になるようにしてあげるのです。 借地人は土地面積こそ狭くなるものの家を建て替えずに借地が自分の所有権となります。
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