次に実際の契約方式ですが、契約期間は10~20年として契約期間内の借家人からの解約権を排除します。ただし、長期固定契約なので、その間の借家人の事情変更により対象物件を本人が使用しない場合、借家人の責任と費用で第三者へ転貸することを家主はあらかじめ承諾しておきます。 しかし、転借人が反社会的な団体構成員あるいは家主や他の借家人に対して特別に迷惑を与える場合は、家主はその転貸を拒否できるようにしておきましょう。 さらに、転借人について借家人に連帯保証をさせることによって、転貸承諾によるリスクを最小限にすることができます。 実際にはこの他にもいくつかの留意を必要としますが、この契約方式は居住用・事業用いずれの賃貸物件についても幅広く適用することが可能です。 転貸については、日本では一般的に嫌われる傾向がありますが、転借人についての事前承諾と連帯保証をさせることで、通常の借家人1人の時より、より家賃を安定・確実に見込めるとも考えられます。 米国では、中途解約をさせないことと、セットにして転貸を積極的に認めています。 また、中途解約禁止についてのペナルティは、米国では普通、契約残月数分の家賃一括払い方式ですが、日本では、「不当利得」として争うと負けてしまう能が高い状況です。 しかし、当事者間としての契約は有効ですから契約書に記載しておくかまたは争っても確実にペナルティとしてとることが出来る範囲、概ね家賃の1年分としておくかは家主の判断でしょう。 筆者の意見としては、借家人としては長期契約で賃料を安くしてもらえるメリットと引き換えに、中途解約にペナルティが付くというのは、ビジネスとして合理的であると思っています。
定期借家契約における契約期間中途解約については、事業用では全く制限がありませんが、居住用については次の条件においては、これに反する契約内容では仮に互いに合意があっても、法律上その規定は無効となります。 1)建物の賃貸床面積が200m2未満 2)転勤・療養・親族の介護・その他やむを得ない事情 3)自己の生活の本拠として使用困難
4)申し入れ1ヵ月を経過して終了
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