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わかりにくい「借地法」納得できない「借地権」

1.「官」から「民」への転換

 建設業の官工事主体から民間工事へと転換をはかるための開発営業戦略の具体的な手法である不動産コンサルティングについて、当紙で連載していきます。まず始めに地主・家主の三大不良資産のうちの筆頭不良資産である「貸宅地」の整理について述べましょう。

2.貸宅地とは何か

 そもそも貸宅地とは、借地人が地主さんの土地を賃料を払って借りて、そこに自分のつまり借地人の建物をたてている土地のことです。いわゆる「借地権」が借地人の側にある貸地のことです。簡潔にかつ正確に言うならば「借地権」とは、建物所有を目的として土地を賃借している権利をいいます。月極駐車場のように建物無しで賃借している場合や、他人の土地に無償で建物を建てている場合は、この借地権に該当しません。  そして、この借地権は借地借家法(あるいは旧借地法)の特別な保護のもとにあります。その権利の割合は、一般に税務署が出している路線価図に基づいて唱えられていることが多く、住宅地では60%、商業地では70~80%です。

一方、その反対の地主の側の権利である底地の割合は、100%から借地権割合を引いた残余分、つまり住宅地では40%、商業地では20~30%となります。坪当たり100万円の住宅地が100坪あったとしますと、借地人の権利が60%で6000万円、地主の権利が40%で4000万円ということになります。

3.借地権の発生の原因

 借地人の方が多いこの「借地権」割合を借地人はどういう権利で得たのでしょうか、またどういう過程でこれを得ることができたのでしょうか。

たいていの土地賃貸借の原初期は、借地人は地主から地代を払うことのみで借地をスタートさせています。当時なりの土地相場の割合の何割もの権利金を支払って借地をスタートさせたということは無かったようです。つまり原初ゼロだったものが、安い地代で土地を何十年か借りていたら、今ではその土地の6割~7割が自分のものとなってしまったという次第なのです。

この借地権成立の理由は、大正10年にできた借地法の今日までの間の2度の大きな改正にみることができます。

昭和16年戦時下において、借地の契約期間が切れたことによって、借地人は自宅の土地を地主へ返さねばならないとい  うことは、社会の安定を欠くので非常に不都合と考えられました。そこで地主が借地契約を更新しない場合は「正当事由」が必要であるとして、契約更新の拒絶を制限しました。この改正により、借地人は契約期限がきて  も借地を返さなくても良くなり、どうしてもというなら明け渡しのための立退料がやりとりされるようになりました。ここに「借地権」の発生をみることができます。

4.わかりにくい「正当事由」

 この借地契約更新拒絶のための正当事由というのが、極めて判りにくいものなのです。借地法上は「土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合」には契約更新を拒絶できることになっていますが、現実は全く違います。借地法にどう書かれてあろうと、借地権が消滅するのは既に何年も地代を払ってこないとか、借地人が行方不明であり、建物も朽ちて倒壊してしまっているとか、相当極端な場合しかありません。

さらに、昭和41年には、借地権上の増改築・借地権の譲渡・借地の転貸に対して地主の承諾が得られない場合は、裁判所が地主に代わって承諾するという制度ができました。この改正によって本来債権であった借地権は、ほぼ物権の性質を持ち財産権としても大きな意味を持つようになったのです。    借りた他人のものは、返さなければならない世の習いあるいは法の定めであるはずが、この借地法のみは例外を作り、その特別の保護によって借りた土地を返さないで良いばかりか、その土地の60~80%の割合が借地人という借主のものとなったのです。    まさに「貸せし土地 返却せよと 求むれば 半ばは主よと 借地人言う」となったのです。

5.地主は納得していない

 最近でこそ、たいていの地主さんもこうした自分の立場の弱さを理解もし、また財産権としての貸地の価値は、その所有権価値の30%~40%しか認められず、しかも自分の都合でそれを売却しようとすれば、買主はその上に家をのせている借地人しか居ないため、その評価の30%~40%では到底売れないものであるということを納得しています。  しかしその納得は、地主さんの本意ではありません。その証拠に、地主さんは借地人から借地権を買い戻すことを非常に嫌います。「何で自分の土地を自分のお金で買わなければならないのか。」と思っています。権利を奪われた地主は、表面納得していても実は内心不承知なのです。  ところが大きな権利を得た側の借地人は、これについて非常に無頓着です。すでに得たものは、自分のものとしてゼロカウントです。この借地権に対する地主と借地人の気持ちのズレが、土地賃貸借関係を常に難しい問題にしているといえるでしょう。

(コンテンツ提供元:ハートアセットコンサルタンツ様
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