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地主筆頭不良資産「貸宅地」

1.貸宅地は永久に戻りません

 前回では地主さんにとって貸宅地とは筆頭不良資産であるということを「借地権」とは消滅しないもの、いわば永久利用権なのだということから考えてみました。借地法にもとづき特別に保護された借地権のある土地は、地主さんにとっては永久に戻らない土地なのです。  仏教に「諦観」という言葉があります。広辞苑によりますと、「諦観」とは第一にあきらかにみること、つまびらかにみること。第二にあきらめること、です。一般に使われている「思い切る、断念する」ということよりも、明らかに本質を見極めること、という意味が第一義であるように思われます。

2.地主さんには「諦観」が必要です

 日頃、貸宅地整理の仕事をしていて、私はこと貸宅地に対しては地主さんにこの「諦観」を持ってもらいたいと思うことがしばしばあります。「貸宅地 不良資産と気付かねば 貸地快消 意味も分からじ」なのです。  地主さんの不良資産の筆頭はこの貸宅地なのですが、肝心の地主さん自身がその意味を充分理解されていない場合も多いのです。そうした地主さんの大方はご年配で、ご自身の相続は随分昔に済ませており、その当時は幸い地価も安く、たいして相続税もかからずに全財産を引き継ぐことができたという体験をお持ちです。また戦前に親の地主としての借地人に対する振る舞いを見て育ってきた場合も多く、その心の底には「殿様」意識が根強く残っていて、貸宅地を整理するということに、自分の領地と領民を失う寂しさを感じてしまうこともあるのでしょう。まさか現代の日本でそれを理由にして貸宅地整理に反対とはいえず、そうした地主さんの言い分は、「ご先祖様からの預かり物を自分の代で減らす訳にはいかない。私の目の黒いうちは売却しない」ということになります。ご自分の万一の際の相続税を計算すればすべての土地を子供へ引き継がせることはできないことは分かっても、その現実を直視しないのです。

3.若い世代の地主さんの意識

 最近目につくようになったのは、この借地権のことをよく理解していない地主さんが再び増えてきたことです。こうした地主さんの共通の特徴は、まだ若い方といっても30才代から40才代の方々で、また所有する貸地の数もそう多くない、2~3ケ所からせいぜい5ケ所程度の人たちです。  彼らは相続で最近取得した分家筋の地主というイメージです。そして「契約」というものを前提に考えます。およそ法治国家であれば、当事者間に交した契約は守られなければなりません。これを前提にすれば、借地契約の期間が満了すれば、借地権は当然に終了消滅となるべきなのです。  しかし、日本の現実はそれとは全く違っており、こと借地権に関しては契約書には何の意味もなく、借地法が優先します。つまり借地権のある土地は永久に戻らないのです。

4.地主の心理の3段階

 貸宅地整理の仕事を通じて私は「地主の心理3段階」を発見(!)しました。そして地主さんの心理の動きを3つの段階に分けて受けとめ、それぞれの段階に応じて貸宅地整理あるいは相続対策、土地有効活用の提案を行うことにしております。  地主心理の第1段階は「願い期」です。こうあって欲しい、こうして欲しいという願いばかりの段階で、現実直視より自分の希望・願望ばかりを優先させている時期です。この段階では貸宅地整理の提案はほぼ採用されないでしょう。  第2段階は「気迷い期」です。こうあって欲しいと思うが、本当にそうなるのかしら、という疑問や、そうならなければどうしたら良いのかといった迷いや悩みが生じる段階です。貸宅地整理の提案はこの段階から行うのが良く、提案を納得させる過程で地主の心理を次の段階「諦め期」へ持っていく努力をします。  第3段階は「諦め期」です。さんざん迷い悩んだあげく、結局自分の都合だけではどうにもならないという諦めや、もうどうにでもなれという開き直りの気分といった段階です。

5.第3段階「諦め期」

 貸宅地整理を、本当に合理的な、また当事者すべてが納得する解決をするためには、地主さんの心理がこの第3段階の諦め期に達しているか否かがきわめて大切です。  貸宅地は地主にとって本当に不良資産であり、これを生前に整理しておかないと相続が発生したら大変なことになる。そしてその整理は自分の都合だけではできないものであり、借地人の事情とすり合わせながら進めていくしかないのだということを、地主さんは認識しなければなりません。その第3段階に達してこそ次にどうしたら良いのかという視点が明らかになってきます。つまり「諦らむ」は「明らむ」に通じるということです。諦めは時によって最も積極の道なのです。  地主さんによっては、どうしても「殿様」意識を捨てられない場合もあるでしょうが、「感情で 我慢がならぬ 借地人 銭勘定で乗り越えるべし」で、奥様やご長男が中心となって、条理を尽くして説得するのが一番なのです。

(コンテンツ提供元:ハートアセットコンサルタンツ様

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