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古アパート入居者立退き料はいくら?

1.立退き料の計算

  資産家の三大不良資産のうちの「古貸家」そして「古アパート」で共通している整理ポイントは、借家人の”立ち退き”問題です。前述したように、「古貸家」・「古アパート」は「貸宅地」に対する地主同様に、これが家主・オーナーの積年の”悩みのタネ”となっています。  その”立ち退き”に伴う「立ち退き料」とは、どういった性質でどの位が相当金額になっているのでしょうか。結論から先に述べると、「立ち退き料」というのは法的根拠の全くない、決まりのない世界にあり、その金額も極端に言えば”ゼロから無限”と考えられる性質のものです。とは言っても、現実の社会習慣では一応「立ち退き料」の相場はあります。

そこで社会通念上の「立ち退き料」という観点からとらえると、「立ち退き料」とは”借家権の価額”ということになります。税務署はこの借家権を幾ら位とみているのでしょうか。相続税の算定評価の際に使われている「財産評価基本通達」でみてみます。税務署の借家権評価の計算式では、

借家権=更地土地価額×借地権割合×借家権割合
となります。      借地権割合はその地域ごとに決められていますが、首都圏の平均的宅地では概ね60%、そしてキーとなる借家権割合は一律30%となっています。      すなわち、更地土地価格を100とすると、
100%×60%×30% となります。      つまり、税務署は借家権価額を大体更地価格の18%前後とみているわけです。例えば、坪単価100万円で50坪の土地に戸建て貸家が一軒ある場合、この貸家の借家権は、坪単価100万円×50坪×18%=900万円となります。      裁判所の例は個別事情によって様々で一概に言えませんが、平均的な見方をするとその更地評価の10~15%位で税務署の評価より低めとなっているようです。しかし実際には、大きな開きがあり、現実の相場は以下といえます。
○アパート1室の立ち退き料=10万円から300万円位。 ○戸建て貸家の立ち退き料=100万円から500万円位。 ○貸店舗の立ち退き料は、10坪の店舗で1億円の例もあります。      一方、立ち退き料≒借家権価額であるとして、次の考え方もあるでしょう。
借家権=周辺相場家賃より安く借りられている借家のその安さ分の権利

2.立退き料を少くするには

 この考え方から幾つかの示唆が得られます。      第1に、当該貸家の家賃が周辺相場に比べて安くなければ、立ち退き料が不要の場合もあります。隣のアパートがこちらより安くてきれいなら、そのことを伝えるだけで出ていってもらえることもあります。      第2に、立ち退き料を支払いたくなければ、貸家経営の努力を怠らず、家賃を常に相場に維持すること、逆に出ていってもらいたければ、家賃値上げの努力をすることです。      現実問題として、家主は、「立ち退き料」というコストを支払ってもその土地が更地となって、今まで以上の価値が出れば良いのです。      他にも借家権評価の算出方法は幾つもあると考えられますが、基本的には、”法律、経済、人情の三つ巴”の問題です。貸宅地整理でも述べたが古貸家整理も同様です。家主が法律と人情を脇において、経済問題としてのみ「立ち退き料」を考えられるか否かがポイントとなります。「こんなに長い間、こんなに安い家賃で貸してあげてたというのに、いざとなったら、こんなに高い立ち退き料を出さなければならないなんてとんでもない」という人情を振り切れるか否か、そこが問題です。

(コンテンツ提供元:ハートアセットコンサルタンツ様

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