農家のAさんは近く息子が結婚します。それに備えて、いままでの広い家を息子夫婦と2世帯で住めるように改造を計画しています。敷地が500m2と広く固定資産税も高いので、できれば固定資産税も安くしたいと考えています。
●2世帯住宅にすることによる税の軽減
広い住宅を所有している場合には、住宅を2世帯住宅にすることによって土地の固定資産税の軽減を図ることが出来ます。 たとえば200m2の住宅が500m2の敷地上に建てられている場合を考えてみましょう。200m2の建物を半分に区分して2世帯住宅に改造すれば、住宅2戸と認定され、さらに200m2分の土地の固定資産税が軽減されることになります。
●税が軽減される理由
広い1戸の住宅をたとえば半分の二つに区分して、その一つひとつが構造上も利用上も独立して生活を営むことができる区画された2戸の部分になると、1戸あたり土地200m2の小規模住宅用地の軽減特例を受けていたものが、2戸と認定されることによって400m2までの土地が小規模住宅用地の軽減特例を受けることができるようになります。
●2戸と認定されるための要件
構造上も利用上も独立して生活を営むことができる区画された部分と認定されるためには、構造上それぞれが専用の出入口をもち、それぞれの部分に台所やトイレなどの生活設備がなければなりません。
●申告して税の軽減を確実にしておく
2世帯住宅への変更は、登記しない場合には申告が必要となります。従来1戸認定の住宅を2戸の2世帯住宅に変更して区分登記すれば、役所は登記から2戸認定してくれます。しかし区分登記をしなければ、1戸認定の住宅が2戸認定の住宅に改造されたことは役所には外観からはわかりません。 さらに2戸と認定されたとしても、役所の組織上、家屋と土地の係が異なることによって、それが土地の固定資産税の軽減に連動しない場合も考えられます。そこで住宅用地の申告をして2戸認定してもらい、土地の固定資産税の軽減を確実にしておくとよいでしょう。
(コンテンツ提供元:ハートアセットコンサルタンツ様)