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古アパート立退料を安くする法

1.古アパート立退きは立退料金額問題

 古貸家・古アパートを取り壊して建て替えよう、あるいはその土地を他の目的に転用しようとする場合、一番問題となるのは借家人です。  建物がどんなに古かろうと、家賃がいかに安かろうと、また契約の期間満了になろうと現在の日本の借地借家法の下では、特別な事情を除いて家主の都合のみでは入居者をその建物から立ち退かせることはできません。  建物賃貸借契約では、借家人の合意がなければ、立ち退いて建物を明け渡してもらうことはできません。そこで立退き交渉では、家主の都合を訴えつつ、借家人の都合をある程度受け入れて、最終合意に達するよう話を進めるこることになります。  立退き交渉の中味は、立退料の金額・立退きまでの期間・立退き先の提供・立退き後の不要物の処理等さまざまな問題があります。  しかし、この交渉での最大のテーマはなんといっても、立退料の金額です。これが十分に多ければ、その他の問題は大抵解決されてしまうからです。要するに立退き問題は立退料の金額問題といっても過言ではありません。  そこではこの立退料の金額はどのようにして決まるものなのでしょうか。またどのような決め方があるものなのでしょうか。  結論からいいますと、この件に関して、一定のセオリー、あるいは法律、あるいは特別な決め方など一切ありません。私共のような実務家が話し合いのなかで適宜決めて、それで家主と借家人が合意できれば、支払われるというのが実際なのです。  公共機関が都市計画等の法律に基づいて用地買収を行う際には、対象地の所有権・借地権・借家権等各種の権利を査定する方法はあります。しかし、それは最終的に土地収用法という強権を発動できる法律に裏打ちされた交渉であり、しかしそれを民主的に行う必要があることから、金額の査定について一応の理論化を計ったものなのです。私ども民間レベルの任意の話し合いの世界では、それはほどんど意味を持ちませんし、通用もしません。

2.「借り得分」を無くす努力

 立退料は、まことに当然のことながら、それを支払う家主の方は少しでも少ない方が良いし、また逆にそれをもらう借家人の方は少しでも多い方が良いわけです。このままの一方がより少なく、他方がより多くという網引きでは結論は出ません。      しかし、こうした立退き交渉でも、上手に話を持っていくことのできるコツがあります。それは日頃の貸家・アパート管理と関係があるのです。      一言でいえば、現在の家賃がその地域の同じ程度の貸家・アパートよりも、つまり相場よりも安いのか、高いのかによります。相場が7~8万円する所に2~3万円で住んでいれば、その借家人は家主に出ていってくれといわれても、安く借りて得をしている分つまり「借り得分」があるので出ていきたくないわけです。どうしても出ていけというならその差額を補償せよという話になり、これが立退料にはねかえってきます。      反対に、相場より高く借りているなら、立退き交渉の場面で、その事実を借家人に告げるだけでたいていの場合、怒って(?)出ていってしまいます。      古貸家・古アパートで近い将来、借家人を立ち退かせて建物取り壊しをしたい場合、少し変な話ですが、 その家賃を厳しく値上げしていき、周辺相場より少しでも高くすれば、いざ立退き交渉となった場合、よりスムーズに事が進むことになるということです。

3.「温情」は仇(あだ)となる

 情のある大家さんなどは、「古アパート」なのだから、借家人の生活も苦しそうだから、また、どうせ近い将来建て替えるつもりだからなどという理由で、昔からの安い家賃をあえてそのままで契約更新してあげている場合があります。しかし、世の中には、この情に答えてくれる借家人ばかりではありません。いざ建て替えようと思って、出ていって欲しいと言った途端、手の掌を返したように、高額な立退料を要求する借家人も多くみられます。大家さんとしてみれば、いままでこんなに安く貸してあげていたのだからと思い、借家人にしてみればこの安い家賃の所から外へ出されたら、周辺の高い家賃との差額が損してしまうと考えるからです。家主と借家人との関係はビジネスです。家主の一方的なおめぐみ的な情をかけることが、かえって仇となってこの古アパート問題を感情的に複雑化してしまうのです。      では今回の契約更新で終りにして、更新契約が終了する例えば2年後には、借家人に出て行ってほしい場合どうするのが、家主として一番良いのかと言うと、第1、家賃を値上げできるなら精一杯値上げすると同時に、契約書の特約に、今回の更新のみで契約は終りである旨明記しておきます。また契約終了の際、借家人は家主に「名目のいかんを問わず金員を請求しない」とします。借地借家法の強制規程からすれば、この特約はいずれも無効ではありますが、当事者間を縛ることは一応可能だからです。このように書いておいて、それがそのまま実現したら、ラッキーと思って書いておくのです。

(コンテンツ提供元:ハートアセットコンサルタンツ様

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