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再契約拒絶事由特約付型-1

1. 再契約は家主・借家人双方の合意

 定期借家契約は、その本来の性質として契約期間が満了したら契約は終了します。その後、再契約をするか否かは家主・借家人双方の意志によります。双方が再契約合意して初めて入居が継続されるのです。  しかし、借家人が当初の定期借家契約を締結する際に、向こう何年間そこに入居し続ける必要があるのかという予測はなかなかつきません。居住系の借家であれば、付近の同等物件を見つけて移転する方法もないことはありませんが、商業系の場合、立地が勝負ですから商売が順調ならば長く居たいでしょうし、逆に商売が不調ならば早く立ち退いても良いと思うでしょう。そこで当初は3年から5年程度の期間の契約として、もし商売が不調ならその期間だけで契約を終了させて立ち退き、逆にもし商売が順調ならば当初契約満了時点でさらに何年間かの再契約ができる、そのようになっているとしたら借家人にとっては経営上大変好ましい条件となります。事務所系であっても、会社の住所変更は、関係者へそれを伝えるコストと手間を考えると好ましいことではありません。定期借家契約とはいえ、当初契約が満了しても、借家人の都合でさらに再契約できることは非常に有利なことです。

2.普通借家契約の「正当事由」とは何か

 借地借家法の中で、特に分かりにくい、普通借家契約の契約更新の拒絶のための「正当事由」について説明しておきます。  まずは下記の条文をご覧下さい。
[定期借家法第28条] 建物賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければすることができない。
この条文に出てくる「正当事由」を分かり易くすると次の図のようになります。

このような《公平と正義の天秤》を基準にして、貸主と借主のどちらが、建物を本当に必要としているのかを、4つの事由を天秤の皿に乗せて測り、この賃貸借契約を“更新させるか”、“明け渡すのか”を判定します。  例えてみると、「娘(建物)1人に婿(貸主と借主)2人」の状態でどちらが熱心に娘を欲しがっているのかを決めるようなものです。  貸主が「死活」問題で借主は「望ましい」程度ならば貸主の更新拒絶は受け入れられるでしょう。反対であれば契約は更新されます。  それでも、どうしても貸主が契約を終了させたいと願うならば、天秤が自分の方に傾くように“持参金”を自分の皿の上に積み上げることになります。これを《金銭による正当事由の補強》といいます。  このように普通借家契約では、借地借家法により借家人が強力に保護されているため、契約の期間が満了しても、借家人の合意が無い限り契約を終了させることが出来ません。家主は契約の更新を拒絶するためには前記のような「正当事由」が必要とされるのです。  定期借家契約ではこうした難しい正当事由が不要であり、再契約についてはあくまでも本人同士の合意を前提とするのです。

(コンテンツ提供元:ハートアセットコンサルタンツ様

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